【実際の勧誘手口公開】「知力会」という怪しすぎるビジネス塾に勧誘されたけど夜ご飯はおごってもらえた話
「知力会」という組織に勧誘されたけど何者??就活に有利になるって聞いたけど本当なのかな。。入るべき??
勧誘の手口とか知っといて対策したい。
ざらしです。このような疑問に答えます。
✅本記事の内容
・知力会という組織の概要
・実際に遭遇した勧誘手口
・知力会には入らなくていい理由を解説
先日知力会に所属しているという方から実際にリアルで勧誘を受けたので,その際にいろいろお話を聞いてみました。
潜入取材だ!
1,知力会ってどんな組織?
知力会という組織の特徴は以下の通り。
・ビジネスを中心に,起業や投資,財務諸表の読み方を学べる
・仲間の起業した会社に投資できる
・将来のつながりを確保できる
会社の起業や投資,財務諸表の読み方を学べる
知力会というのはビジネスのことを中心に学べる塾です。
✅知力会の組織像
・参加自由
・会員数500人以上(2019年当時)
・知力会OBが授業してくれる
授業という形で週に何回か集まって学べます。ビジネス塾という名前にふさわしく参加は自由なようで,私を勧誘してきた方も大学がない時に足を運ぶと言っていました。
どれくらいの参加者がいるのか聞いてみると,会員は全国に500人以上いるんだみたいなことを言っていましたが,一回に集まる数としては数十人といったところでしょうか。
そして結構歴史があるらしく,毎回元知力会のOBの方が来て授業してくれるそうです。
毎回授業テーマが異なるらしいです。
さらにテキスト代が驚愕の値段。15万円というから驚きです…。
知力会の言い分としてはこのテキストを使って学ぶことによって絶対に回収できるし,それ以上の稼ぎを得ることができるということでした。
勧誘されたときの状況については包み隠さず後半の章で記述しますが,とにかくこの財務諸表が読めるようになることの推しが強かった印象です。
仲間の起業した会社に投資できる
知力会に参加する学生は,基本的なフィルターとして関関同立以上というのがあるようです。
ある程度の優秀さはあり,その中でもいわゆる意識高い系が集まっているので,中には実際にビジネスを起こす人もいるそう。
「知力会は起業が学べる」というようなネットでの記事も拝読したことがあるのは,これのことだと一致しました。
もちろん自分たちも起業することができるわけですが,その際,知力会の仲間から出資を募ることができるのです。
実際に私を勧誘してきた方も投資されており,かなりのリターンが期待できると興奮していました。
まあ世間的に見ても会社ができて10年後に続いてる確率なんて極めて低いわけで。どれほどのものかはわかりませんが,これだけは言えます。
”会社なんて年間いくらかの法人税を納めれば作れるわけですから,誰でもできます。起業がすごいのではなくて,それを維持していってるからすごい”んだと思うんです。
だから知力会の方はすごいのかもしれませんが,まだきゃーすごいとは言い切れないでしょう。
話が脱線してしまいましたが,要は知力会で起業してる仲間に投資をすることができるのです。その際にはきちんとプレゼンを聞いて,資料や数値データを見て判断するので,実際の投資経験や起業経験を積むことができそうです。
将来のつながりを確保できる
これもいわゆる意識高い系の集まりでは,呪文のように共通して囁かれるワードです。
優秀な方とのつながりを早期のうちに確保しておいて,なんならそこで一緒に仕事するみたいな。
しかも就職活動でも有利になるというキラーフレーズを携えて。有名企業で知力会出身の方もいるようでそこのつながりや,授業内容を活かせるということでした。
2,実際に遭遇した知力会勧誘の手口
ここからは自分の体験した手口を公開します。
少し読みにくいかもですが時系列で。リアルさを優先します。
マルチ商法っぽい勧誘とか未知の組織の勧誘って,なんとなく分かっててもリアルで来られるとなかなか断るのが難しかったり,そもそも気づけなかったりなんていうことがあります。
知力会の勧誘にあいながら,心理学部に通う私も内心「怪しい!怖い!帰りたい!」としか思えませんでした。
こういう例もあるんだって記憶の片隅に置いといてもらえれば…。
いざという時冷静でいられるかと思います。
知力会メンバー,C君との出会い
そもそもその人とは友達でもなんでもありません。どこで出会ったかというと,とある会社の説明座談会です。(これだから座談会は無駄なのだ…泣)
ちょっと珍しい場所が会場だったので帰り道に迷っていたところ,知力会のその人(今後C君と呼びます)が現れたのです。
そこで道案内をしてもらいながら帰宅。道中,ご飯に誘われたのですが,私が次の日早いということでLINEだけ交換しました。
今思えば,ご飯行ってたらこのタイミングで知力会に誘われてたんでしょうね(笑)
数日後LINEが鳴る
C君からLINEが。
「情報交換したいしご飯でもどう?」
昨今の就職活動というのは情報戦。
少しでも繋がりを求めた私は,「急だな。若干気味悪いけど…」と思いながらも,その誘いを受け入れご飯に行くことにしたのです。
まずはラーメン
大学生と言えばラーメンですよね。ここでは普通に普段の話をしてました。
ただここで少し問題が。
私キャッシュレス人間すぎて現金というものを持っていなかったんですね。そのお店は現金だけだったのでC君に出していただきました。
おごりありがとうございます。
なぜか飲み屋へ
ここで帰ろうかなと準備していると何故か呑みたいと言い始めたのです。
いや順番逆だろ普通とか思いながら,現金がないことを説いていたのですが,出してくれるとのことで一軒だけ行くことに。
普通に楽しく飲んでいたのですが,ここから片鱗が見え始めます。
いよいよ本番,知力会への扉が開かれる
C君が突然,「会社ってどうやって見極めてる?」
ということを聞いてきました。
C君「財務諸表ってのがあってね…」とここでひたすら熱弁してくるのですが,私は飲み屋のえいひれがおいしすぎて9割聞いていませんでした。
そして半ば強引に財務諸表がすごいって話と,投資で儲けてるんだっていう話,そして私が優秀だからぜひ将来一緒に何かビジネスができるかもしれないみたいなことを熱く語り始めました。
そう,先述した知力会の特徴詰め合わせです。
このあたりから酔っていても,なんとなく勘付いてくるわけです。
「あ,なんか怪しいな」って。断ってるのにずっと誘ってくるんですよ。
私は「いやいや興味ないから」とか「今の自分の成長には必要ないから」と言いながら必死にかわそうとするんですけど,しつこい。
なんでかわからないけど「とにかくいったん見学に来て!そこで判断して!」をくり返されてました。まじで1時間くらい。
しまいには「この俺に免じて」とかわけのわからないことも言われてましたね…。
これ心理学部だとわかるんですけど,チャルディーニのフット・イン・ザ・ドア技法と一貫性の法則が使われていて。
前者のフット・イン・ザ・ドアは,小さい要求でYESをだすとその後の大きい要求もYESで答えてしまうみたいな。
後者の一貫性の法則はこの場合だと,見学に行ったからこのまま知力会に入らないといかないような気がしてしまう,一貫した行動を取ろうとしてしまうんです。人間は一貫した行動を取ることを好む生き物なので。
今回はしかもおごってもらうので返報性の原理とかも働いてるなあ,なんて酔った頭で考えてました。
今回のようなマルチ商法などの悪質商法でよく用いられるので注意が必要です。
心理学部生は必ず読んでるこちらの本に全てまとめてあるので興味のある方はぜひ。
お会計へ
熱弁されてたんですが,席の時間である2時間に助けられました…。お店を出ることに。もちろん私はお財布はないのでおごっていただきましたよ。
そして帰りの電車でも途中まで同じなのでずっと勧誘されてました。
これコツなんですけど,一回断る流れを作ってしまうと,ここで一貫性の原理を味方につけることができるので,自分の気持ち的には格段に断りやすくなります。
とにかく最初の一歩目,小さい要求をのんでしまわないようにしましょう。
3,知力会は入らなくていい
知力会はまだ健全なマルチ商法のコミュニティです。
ただ授業でやる内容も,学校では習わないことを学べるっていうだけで,別に書籍やそれに精通した大人たちなら知っているような内容のものがほとんどです。
なので15万円を払う価値はないのかなというのが個人的な意見です。
「もう払ってしまった…!」という方はクーリングオフ制度を利用できる可能性もあります。期限を過ぎていてもまずは消費者センターに問い合わせてみてください。
起業したい人にはおすすめ
ただ,起業したいという方に限っては入ってみてもいいかもしれません。
やはり軌道に乗せるために資金を得る場としては,ハードル低く出資を募ることができます。
意識の高い人や仲間をその場で調達することも可能です。
4,まとめ
今回は就職活動をする中で出会った「知力会」についてご紹介しました。
このような強引な勧誘は,リアルで実際に受けてみると思っていたより自然で乗せられてしまいそうになります。
この記事で少しでもその意識と手口を吸収していただければいいかなと思います。
その他変化の激しい就活市場の現状や就活イベントのレビューもまとめています。合わせてご覧ください。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。